お別れは突然に

今日は、高尾に出かけたので、帰りに寄り道を…

列車を乗り継ぎ、小田急線の向ヶ丘遊園で降りました。
まずはこのエリアにある「昭和な喫茶店ナポリタンを食す」
というのがテーマです。

店は街中にあり、夜も人が途切れることがありません。
奥の方にある禁煙席に腰かけると、壁に掛けたテレビで日本対ベネズエラのサッカーの試合を上映していました。
ナポリタンとレモンスカッシュをオーダー
それほど待たずにやってきました。
ナポリタンは、あの「昭和のナポリタン」よりも麺が固めでケチャップも控えめの上品な感じです。
私はもっと昭和な感じでいいのですが…具もたっぷりでおなかいっぱいになりました。

さて、次はこの街にあるジャズ喫茶に向かいます。
遠くに店が見えてきました。
写真でみる店は昼間のため、壁や周りの感じがよく見えます。
外装のトタンが錆びていい感じ…とか…

ところが、私が訪ねた午後8時半。
まわりにはあかりがなく、店の看板だけが輝いています。
ですので店の古さなどは、まわりの暗さと看板の明るさに沈んで、見えなくなっています。
暗いのは「いろいろなもの」を隠してくれる効果があるのかも
そして、看板に引き寄せられるように店内へ…

私が入った時はフリージャズがかかっていました。
店内は8畳くらいでしょうか、4人がけと2がけのテーブルとカウンター4席の全部で10席くらい。(間違っていたらごめんなさい)
全体がいぶされたように茶色がかっています。今月のカレンダーがやけに白いです。
店の方2人・客1人は、その曲に聴き惚れていて、私の入店に気づきません。
ここで帰るわけにも行かず、かといって勝手に席に着くのもなんですし、
これは弁慶の立ち往生です。
5分ほど(いや、もっと長かったかも)してようやく認識され、テーブル席にかけてビールを頼むことになりました。

オーディオ装置にもこだわりが感じられます。
ターンテーブルは分厚くて重そうな感じ。
その上に緑に光る小さなライトが見えます。あれはもしかしたら音吉Megさんで見た静電気を除去する機械かも
スピーカーは3ウェイ。ケーブルは直径1cmくらいで、ケーブルがふれあわないように器具でとめてあります。
プリアンプ(と思われる機材)の型番はわかりません、パワーアンプはもしかしたら手作りかも。

店の中も暗めで、スポットライトで手元をあてています。
天井を黒くしてあるので、目が慣れるまでは(慣れたあとも)吹き抜けの部屋にいるように広がりを感じます。

さて、3人をとりこにしたフリージャズ。流れている曲を音楽アプリShazamで検索したのですが、引っかかりません。
店の中が暗いので、近づいていかないとジャケットの文字がよく見えないのですが、なんとなく遠慮してしまいます。
よーく見てアルファベットを記録し、家に帰って調べたら
Archie Shepp / Black Gypsy
というレコードでした…

スピーカーの前にピンクの薔薇が一輪、生けてありました。

もっぱらアナログをかけているようで、
次は John Coltrane And Johnny Hartman
をかけてくれました。

こうした楽しい時にも、突然おわりがやってきます。
ゆっくりしていたら「お店は9時まで」と告げられました。
時計を見たら9時10分。
店構えを見ていると、夜の11時まで開いていそうな感じでしたので、すっかり失礼してしまいました。
お詫びをして店を出ました。
店を切り盛りしているのは壮年のおふたり。ご夫婦でしょうか。
この店が長く続いている理由の1つは、この健康的なスケジュールにあるのかも…
と思いました。

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帰りがけに1枚撮影しました。遠くからでもよく見える看板でした…